また、キミの隣で…
*登校*
あれから2週間。
護のケガも完治して、退院できることになった。
記憶は…まだ戻らないけど…。
そして、今日から護もまた学校に通うことになった。
人や、人と過ごしてきた記憶は忘れていても、学校でやってきた勉強などは覚えてるらしい。
ホント、憎たらしい脳だ…。
「護、準備できた?」
護の家の玄関の中で待たせてもらってる。
「あ、あぁ…。
どう?」
制服を着た護が隣の部屋から出てくる。
「え、どうって…」
いつもの護だった。
見た目は。
でも、何だか恥ずかしがってる感じ…。
「大丈夫。
似合ってるから」
「そう?
ありがと…」
見慣れた護の制服姿に何だか安心する。
これで記憶も戻ってくれたら言うことないんだけど…。
「あ、そろそろ時間が…。
護もういい?」
「うん」
「「じゃぁ、行って来まーす」」
護と一緒に家を出る。
護は、自分の家に帰っても、自分の部屋を見ても、何も思い出さなかったらしい。
医者は「一時的な記憶喪失」って言ってたけど…。
こんなんで、ホントに記憶が戻るのかな…。