ウィニングショット
そして3日という短い日は流れるように過ぎ去っていった。
「おい、菊池、相手の選手たちのデータはどうした?!」
マネージャーの中で最も監督から信頼されていた私は、すべての資料をもっていた。
だけど、私が投げやりになったせいで、
その資料はどこかに消え…。
それに加え…。
「単崎はどうした?!」
単崎君は、野球をサボった。
県大会の決勝で…。
「単崎君は来ません…。」
別のマネージャーが震えるような声で言った。
序盤から4番の単崎がいないせいか、得点が入らず、
杉原は1点も入れられてはいけないというプレッシャーとも戦っていた。
私が元気な杉原君を見たのはそれが最後だった。
ゴンッ
打者が打ったボールは一直線に杉原君に向かって飛んでいった。
この日、エースの杉原君は亡くなりました。