ナツメ
第5章
一年が過ぎ、また夏がやってきた。

わたしはなにも変わらない。
相変わらずの生活。

もう修を想って泣くこともない。
ましてや、ナツメを想って泣くこともない。


まともに真っ当な人間らしい生活を送っている。

ただ、ひとつだけ日課が増えた。

朝、仕事にでかける前、パソコンを開いて電源を入れっ放しにしてでかけること。

仕事に現実に疲れて帰ってきた時、部屋の真ん中で煌煌と光る画面。

『おかえり』とナツメが言ってくれている。
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