ナツメ
「まるで、わたし」

温もりを知ってしまったら、二度と寒さには耐えられない。
満足することを覚えたら、二度と空腹に耐えられない。

そして、わたしの愛が永遠に続くとは思わなかったのでしょう?

「バカ?」

あなたが今までどんな女性と付き合ってきたか知らないし、あなたの過去もわたしは知らない。

きっと上手に愛せずに別れてばかりきたのかもしれない。

だって、あなたの愛は束縛に満ち満ちていたのだから。
そんな愛しかたでは無理だ。

あなたは、わたしに色んなことを教えてくれたくせに、あなた自身は少しもわかっちゃいない。

確かにあなたの愛は一方的で束縛的で、多少イカレ気味ではあるけれど。

わたしにとっては、なににも変え難い愛だった。
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