ナツメ
第3章
翌日からナツメは、今まで以上にわたしに触れなくなった。

触れなくなったどころか一切触れない。

食事だけは手伝ってくれたけど、それ以外は一切わたしに手を貸さない。

お風呂も自分ではいるように命じられ、髪も乾かしてくれないし、今まで以上に距離をあけて自分の居場所を確保している。


彼が戸惑っている。
とても困っている。

そう思った。

命令する以外は声すらかけてもくれない。
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