嘘つきlullaby

時は少し遡る――



下駄箱に入っていた手紙を握りしめ、愛多は体育館裏に向かっていた。

勘弁してほしい。そう思いながら手紙を開く。




「果たし状

拝啓、五重愛多様。
話したいことがあります。
今日の放課後、体育館裏に来てください(はぁとv)

敬具、小森萌黄」




こんなふざけた手紙を送りつけたこいつはどういう神経をしているのだろうか。

果たし状の意味をわかっているのだろうか。


暑さにどうしようもなく苛々している愛多は会ったら即逃げよう、などと考えを巡らせていた。
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