嘘つきlullaby
そして今に至る。
「何でって……今はまだ好きじゃないし」
「じゃあ何で付き合ってなんて言うの?」
「好きになれる自信がある!」
「……」
誇らしげに笑う彼女を見て、なるほどあんな手紙をくれるわけだと愛多は1人で納得した。
救いようのない馬鹿らしい。
「あの、小森さん、」
「NO!」
「え、NOって」
「もえぎ。です」
「……I know.」
じゃなくて、と愛多は頭を抱えた。
完璧に向こうのペースだ。
真面目に話そうとしている自分すら馬鹿らしく思えてくるが、ここで付き合おうといえるほど馬鹿ではない。