藤井家の長男はしっかり者。


「おい奏多」

「お、ヒナおはよ」

「……あぁ、つーか、ぐほっ…!」

「えっ、」

「ちゃんと挨拶しろ、ボケ」

「くっ…!…んのババア…」


運が悪けりゃ何度でも蹴りを受ける日向に、奏多は同情の眼差しを向ける。
そしてこう口にした。





















「ルール守ればやられねぇのに…」











【藤井家のルールその1。必ず挨拶をする】


これは、〝親しき仲にも礼儀あり〝の原理で家族全員に
『おはよう』『いただきます』『ご馳走様でした』『行ってきます』『行ってらっしゃい』『ただいま』『おかえり』『おやすみ』等の挨拶をきちんと交わすことを父、朔斗の提案でルールになったものである。


父や母が決めたことなら、見てない所で守る必要ないじゃん。とも考えられるが、守らないと



「母ちゃん、遥香が〝ただいま〝って言わなかったぜ」

「は!?マジチクるとかありえないんだけど!!」



三男、紫苑や末っ子、胡桃により律儀に報告されるので、そんなズルをすれば待っているのは、母による地獄絵図である。






< 8 / 8 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop