うさぎさんが好きないちごみるく




悠哉先輩と騒いでいると、


バシッ


「うおっ」

「うわぁっ?」


突然何かが何かを叩きつける音がしたかと思えば、悠哉先輩の顔……というか頭が若干揺れた。


……かと思えば、僕の好きな声が聞こえたんだ。


「ちょっと!
うさみくん嫌がってるじゃない!」

「いちご先輩!」

「くるみ…」


声の方を向くと、なんだか沢山の資料で重くなっていそうなファイルを持ったいちご先輩がいた。

どうやら、先ほどの音はあのファイルでいちご先輩が悠哉先輩の頭を叩いたのが原因らしい。


「ひどいなー。女の子が暴力なんて……
それに、それ結構いたいんだよ?」

「角で叩かれたかったのかしら?
うさみくん、大丈夫?」

「あ、はいっ!
……離していただければ…」


悠哉先輩は痛いなんて言いながら僕を抱きしめたままだし、

いちご先輩は悠哉先輩にちょっと過激なことを言いつつ、僕を心配してくれて、

僕はというと、いちご先輩の登場に舞い上がりつつ、いちご先輩の手前離していただきたいなーと静かに抵抗中だ。




「まったく……
仕事してくれませんか?

“会長”」


「あー、はいはい。
わかりましたー
じゃあね、うさたん、隆平」


「あ、はい。」

「頑張ってくださーい」


そう。何を隠そう、悠哉先輩は生徒会長なのである。




< 31 / 36 >

この作品をシェア

pagetop