死にたがり
「高校に上がってからだと思う」
「ふーん…あれ、家が隣じゃ幼馴染み?」
「まあ、うん」
「へえ。いいよね、そういうの」
「…そうかな」
ぽつり、返す。
そんなに良いものなのかな。あたしはよくわからないけど。
幼馴染みの時と、恋人になっても変わりないし。
「でもさ、共働きってことは両親ともあんまり家にいないんでしょ?」
「うん」
「あたしん家はいつもいるからわからないけど、…寂しい、とかは思わないの?」
「え」
ごくりと口に含んだものを飲み込んだとき、だった。
隣にいた瑠美があたしにそんなことを問い掛けてきたのは。
「…別に、」
つい素っ気なくなってしまう。だけど聞いてきた本人はそこは気にする気もないらしい。
「あ、そうだ。なんならあたしが泊まりにでも行こうか?」
「え、いいよ」
「だって寂しいじゃん。一人で夕飯食べたりとかさ」