死にたがり
「…そうでもないよ。たまに凛いるし」
「え、嘘」
「本当」
学校から帰ってきてリビングに凛がいるのは殆どだけど、大抵そのあとは帰る。
だけどたまに、そのまま夕飯まで食べていくときもある。
「なんか夫婦みたい」
「それは行き過ぎ」
「いや、そんなことないでしょ。恋人っていうか夫婦だよ、友梨達」
「……」
夫婦って。
そんなふうに見えるのだろうか。周りからは。
四六時中一緒にいることにはなるんだろうけど、だからってベタベタしてるわけじゃないし、
まあ、瑠美の言うような関係に見えてもおかしくは無いのかもしれない。
「…夫婦、ね」
「え?友梨、なんか言った?」
「…なんでもない」
まあ悪くないと思った。
こんな話、凛が聞いたら大爆笑するだろうな。想像がつく。
昼下がりの廊下は、騒がしい教室とは違ってとても静かだった。