死にたがり
こんなもの書いたところで、本当に【命】について己の意識全てをそこに注ぐ人間なんているのだろうか。
こんなものただの道徳意識であって、それを信じるかどうかなんて個人の自由だと思う。なのに学校という場所は、【命】についてはどれも平等なのだから…と教える。
なんなんだろう。この紙に命という題材で文を書かなくちゃいけないのは理解出来るけど、
だけどどうして、人の道徳観まで崩されなきゃならないの?
「……」
だけど此処は学校。自分は生徒で自分に【こうしなさい】と言ったのは教師。
小さな頃から教えられてきたことが間違っていないのなら、教師は生徒という身分の私より目上の人物であって、
目上の人物の言う言葉には従わなければならないということになる。
だから命は皆平等であって、この作文は書かなければいけない。それは理解しなければならないということは、
たった今、理解した。