死にたがり
「寂しいんだろ」
「は?」
次こそ凛の言葉が理解出来なかった。
なにが言いたいわけ。ていうかあたし、寂しいなんて口にしたつもりもない。
何を勘違いしているんだと口を開こうとすれば。
凛があたしを振り返って口をついた。
「…お前、言いたいことあんま言わないから」
「…だからなに?」
「たまには言えばいいじゃん。両親に、早く帰ってきてくれって」
「…」
凛はさっきまでテレビに向けていた真っすぐな視線をそのままあたしに向けてきた。
ただ、じっと。
静かに。…ぱっと反らしたのはあたしだった。
「凛、何が言いたいの。あたし別に寂しいとか思ってない」
「顔に出てる」
「…なんでいきなり」
「…我が儘くらい、たまには言ってやれよ」
「、」
凛はまだ、あたしから視線を反らさない。
我が儘とか、言えるわけないし、まず言う気もない。
言ったところで、それは弾き返される。そんなこと、小学生の頃から知ってる。