本気の恋の始め方
「連絡ありがとう……話が出来てよかった」
るうくんが我を通してくれなきゃ、私、ずっと引きずってたかもしれない……
今更だけど、長年の片思いが報われたような、そんな気持ちになれた。
これも全部るうくんのおかげ。
「俺のほうこそ、ありがとう。じゃあな。時々そっちで会うかもしれないけど、よろしく」
「うん。塁もがんばってね」
私に背中を向けて歩くるうくんの背中を見送っても、もう苦しくならなかった。
ありがとう、るうくん……。
コーヒーショップを出て、一人とぼとぼ歩く。
るうくんの言葉を、表情を思い出しながら。