本気の恋の始め方
彼の唇や指先が、まだこうすることになれない私の体をゆっくりと開いていく。
「んっ……」
気持ちいいけど、ドキドキしすぎて、苦しい。
とっさにシーツをつかむと
「感じてる潤、可愛いよ……もっとイヤラシイ声出してよ。俺のこと喜ばせて……?」
千早はいつもの甘い声にさらに欲望の色をつけて、胸の先に口づけ、歯を立てる。
「あっ……」
のけぞる体をしっかりと抱きしめられて、またいたぶられる――
こうやって抱き合っている間、自分が自分でなくなることをまだ怖いと感じてしまうこと、千早はよく知っているから。
「怖くないよ……」
甘い意地悪を織り交ぜながら、彼はゆっくりと私を愛してくれる。
めくるめく甘い波
押し寄せて、引いて、またのぼる。
まだ見ぬ海のことを、千早に抱かれている間ずっとイメージしていた――