本気の恋の始め方

「ううん。体のラインがきれいになったわよ。引き締まるべきところは引き締まり、さらに最近出るところは出る、みたいな?」

「え……? 本当ですか」



思わず制服姿の自分を見つめなおしたけれど、やっぱりいつもとまったく変わらない。



「変わりませんけど……」

「いいや、変わった! きっとブラ、きついはずよ」



鮎子さんはまた恥ずかしいことを力強く断言する。



「清純っぽい顔してるくせにスタイル抜群なんて、男の夢を具現化したような雰囲気だったけど、最近のあんたは相当いいわよ」

「――そ……そうですか」



ぜんぜんピンと来ないながらも、鮎子さんの迫力におされてとりあえずうなずく私。



「で、千野千早、うまいの?」



興味津々、身を乗り出してくる鮎子さん。



「ちょっ……」

「いや、聞くまでもなくいいんだろうなぁ……うん」



私を見てニヤニヤしてる。


なんか想像されてる。




< 282 / 446 >

この作品をシェア

pagetop