本気の恋の始め方
私とつきあってるってことは言えないとしても、せめて彼女がいるくらい言ってくれたっていいのに――って。
あーなんだか私、性格悪いな。自分勝手にもほどがある。
これって、勝手な独占欲以外の何モノでもないよ……。
キーボードから手を離して、ふうっと息を吐いた。
「お茶のも……」
マーケティング部の中に置いてある給茶機で、自分のマグカップにお茶を注いでデスクに戻り一息つく。
千早は私を大事にしてくれてる。
たとえ彼がモテてるといっても、週末はいつも私の部屋にいるんだから、ほかの女の子とどうこうなんてあり得ない……
それに私のほうが年上なんだから、嫉妬なんかしちゃだめだ。
やめよう、こんなつまらないことに振り回されるのは。