本気の恋の始め方
「ねーこれ、潤さん?」
「え!」
カップをテーブルに置き、急いで声のしたほうに向かう。
「あっ……」
なんと千野君が、ベッドサイドに飾ってあったフォトフレームを手に取って眺めていた。
「潤さん、昨日、サッカーしてたって言ってたでしょう? ちょっと信じられなかったんだけど、これはそんな感じですね。真っ黒で、男の子みたいだ」
彼が見ているのは、小学生の頃の私で
「やんちゃそうだなぁ」
そして私の隣には――
「あ、この子は女の子みたいだけど、やっぱり男の子なのかな」
「……め、て」
足下がぐらぐらしはじめる。