本気の恋の始め方

プツン――


携帯の電源を落とす。



私のほうが年上だし……

お姉さんだし……

毅然としてないとって……



そう思ってたのに、口から出たのは嫉妬にかられたイヤな感じの言葉だけ。


彼から理由を聞くこともしなかった。



千早。

何か説明をしようとしていたのかも。

だけど私はそれを聞きたくなかった。


彼が好きだから

無条件に信じたくなるに決まってるから。

どんな言葉でも受け入れてしまう気がするから。



プライドと、彼を失いたくない気持ちの間で揺れる。



胸の中が急に空っぽになった気がした。




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