本気の恋の始め方
二人の幼馴染
「じゃあ、塁君。また来てね~」
お父さんの運転する車で駅まで送ってもらった私とるうくん。
(途中るうくんが泊まっていたホテルに荷物を取りに寄った)
「ありがとうございました。お世話になりました」
助手席で手を振るお母さんに礼儀正しく頭を下げる。
いつまでも手を振るお母さんたちの車を見送りながら、隣に立つるうくんを見上げた。
彼の表情は柔らかい。
だけど疲れたんじゃないかな。
るうくん好きなうちの両親に挟まれて、大騒ぎだったんだもの。
「疲れたでしょ? 気を遣わせてごめんね」
「そんなことない。本当におじさんとおばさんに会えて嬉しかったよ」
彼の手には私の分まである大量のお惣菜。
結局二人で東京に帰ることになった私たちは、新幹線の座席に並んで座る。
今から帰るのか……正直気が重いな。
千早にどんな顔をして会ったらいいのかわからない……。