本気の恋の始め方
繭ちゃんと夜通し一緒にいた。
真鍋さんの部屋に一緒に住んでた。
私の片思いを真鍋さんに話していた!
「俺には弁解の余地もないの?」
「――」
「繭ちゃんは、確かに俺たちが宿泊するホテルに来た。だけどそれはついでだよ。
追いかけてるビジュアル系バンドのライブのために大阪にきて、泊まるところが取れなくて、俺に連絡してきた。あのホテル、会社でいつも何部屋か押さえてるから、空いてる部屋借りられないかって」
「――」
「繭ちゃんだけじゃなくて、なんていうのかな……バンギャ? そういう仲間の子たちと大勢でやってきて、隣の部屋でドンチャンドンチャン、静かにしてくれないかって言いに行ったらまた絡まれて……まぁ、とにかく繭ちゃんと二人きりだったわけじゃない」
「――」
「確かに一時期繭ちゃんに誘われてたけど……俺にその気がないんだから絶対にそんな関係にはならない」