本気の恋の始め方
「何言って……」
ぽかんとする私。
けれど千野君は、さらにシリアスな表情で、私に詰め寄ってくる。
「だから、俺が過去の男を忘れさせます」
「――無理だよ」
るうくんを忘れるなんて、無理。
「最初から無理だなんて言わないで」
「――だって」
千野君のこと誤解してた。
第一印象からもっとちゃらい人だって、思い込んでた。
「どうして?」
思わず首をかしげていた。
「どうしてって……」
困ったように千野君は笑う。
「俺が潤さんのこと好きだからに決まってるじゃないですか。チャンスがあるなら掛けますよ」