本気の恋の始め方
「チャンス……?」
「ええ」
千野君は私の前に膝をつき回り込むと、両手で私の顔を挟むように持ち上げる。
「昨日今日から潤さんのこと見てたわけじゃないですからね。簡単に、はいそーですかって諦められません」
そして私のおでこにそっと顔を寄せて、優しい声でささやいた。
「一回寝ちゃったけど。潤さんが俺に抱かれたいって思うまで、絶対に手は出しません。だから、俺とお友達からはじめましょう?」
千野君に抱かれたいって思うまで?
そんな日が来るなんて、今の私には到底考えられないけれど――
「お友達……?」
「そうです。れっきとしたお友達です。一切のエロなし!」