本気の恋の始め方
てっきり追い出されるかと思ったら、彼女はまだ私の話を聞いてくれる雰囲気だった。
慌てて最初に言いかけていた「お願い」を口にした。
「千早の実家の住所教えてください!」
「乗り込むの?」
サチさんの、携帯をさわっていた指が止まる。
私を上目遣いで見上げる瞳は、好奇心で輝いていた。
「行こうと思います。今日はもう遅いので、明日にでも」
千早は実家に住んでる。
だからいつも私の部屋に入り浸っていたわけだけど……。