本気の恋の始め方
いや、相変わらずにこにこして見えるけど、貫禄みたいなのを感じる。
「……はい」
緊張しながら居住まいを正す私。
「私ねぇ、丸々してかわいかったちーくんが、あなたのことを好きになってからほっそり痩せちゃって、ずっとガッカリしてたんだけど」
「すみません……」
お母さんまでそんなこと知ってるんだ。
自分でも耳が赤くなるのがわかる。
恥ずかしく思いつつも、謝ってしまった。
っていうか、この小さなお母さんに千早って「ちーくん」って呼ばれてるんだ。
サチさん、お姫様扱いされてるって言ってたもんね。
その場面を想像すると、ちょっと微笑ましいかも。