本気の恋の始め方

怒ってるよね。


当たり前だ。そのくらいわかってる。

怒って当然、呆れられて当然だから。



だけど……


私は千早を失いたくない。


もう失ったかもしれないけど、だったらまた千早の信頼を取り戻せるようにがんばりたい……。



勇気を振り絞る。



そしてまっすぐに千早を見上げた。



「私……千早はモテるから、女の子からいっぱいお誘い受けるから、いつか私のこと飽きるかもしれないってどっかで思ってた。

その不安を一度だって口に出して打ち明けなかったくせに、不安を裏付けするような理由を自分で探して、やっぱり千早は私を裏切るんだ、ほかの人を選ぶんだって決めつけて、傷つけられたって一人で騒いで、千早に腹を立てた……。

改めて言うと、本当に恥ずかしい。こんな私、もうだめだって思うし、千早に好かれるはずないって思う……」




< 398 / 446 >

この作品をシェア

pagetop