本気の恋の始め方
「俺、別れたつもりないんだけど」
「えっ……?」
なに、どういうこと?
顔を上げた瞬間、千早が私に多い被さるように抱きついてきて。
「潤さんの、俺を見つめる視線に気づいてないと思った? 俺が死ぬほど我慢してたの、わからないの?」
少し焦ったように驚くような言葉を口にした。
「嫌いじゃないよ。なれるわけないよ……俺の片思いの執念、そんな簡単に消えるわけないでしょ。なめてんのかって話だよ」
ぎゅうぎゅう、どんどん強くなる千早の腕の力。
息が止まりそう。
どうして、なんで?
疑問がぐるぐると頭の中を回る。