本気の恋の始め方

「俺はね、必死の思いで恋人同士になれた潤さんを手放すつもりなんて毛頭ないし、他の男にやるつもりもないんです。

だから合コン相手の建築事業部。ちゃんと釘さしましたし。誰も潤さんに露骨に声かけたりしなかったでしょ? まぁ、そのかわり月曜日には俺たちの関係、社内にばれてると思いますけど」

「え……?」

「鈍感。俺の気も知らないで」



千早は少し怒ったような表情で私を見つめ、少し唇を尖らせる。



「鈍感……」

「そうですよ。なに無理矢理とはいえ合コンなんて行ってるんですか。もう二度と行かないでね。俺がいるって言って、断ってください」

「――はい」




なんだかまだ夢見ごこちで。

けれどこっくりとうなずく私。



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