本気の恋の始め方
きっちりと、手を繋いだまま。
「わーブランコ懐かしい」
グラスワインも、酔い覚ましの散歩も、手つなぎも、彼の作戦なのかもしれない。
けれどたった一杯のアルコールで、私はだいぶリラックスした気持ちになっていたのか、彼に言われるがまま、ブランコに乗ってしまった。
「え、ちょ、手を繋いだままって、危ないよ」
「ははっ、ほんとだ、まともにこげないね!」
小さな公園の小さなブランコ。
それぞれに腰を下ろして、漕いではみたけれど、片方だけ手をつないでいるから、不安定に揺れる。
肩が外れそう、だとかぎゃーぎゃーうるさく騒いで、笑って。
ちょっと――いや、結構楽しかった。