本気の恋の始め方
ある朝。学校に行ったら周囲から「ひどい顔だよ」と指摘されて焦ってしまった。
例のごとく、ほとんど眠れないまま朝を迎えてしまったから、ただの寝不足なんだけど。
「そう? 顔洗ったきり鏡なんか見てなかったから……」
へへへと笑いながら、私は席に座る。
そんなに顔に、出てるんだろうか。
「保健室で休んだ方がいいんじゃない?」
「いや、大丈夫だよ。今日は私の好きな授業ばっかりだし。っていうか体育あるし!」
張り切ってそう答えると、周囲は「潤らしい」なんて言って笑ったけれど。
私としては、体を動かして、一秒でも早くこのもやもやをすっきりさせたかった。