本気の恋の始め方

しばらくして私の横に吉永がやってきた。

眉を寄せて、顔をのぞき込んでくる。



「――潤、大丈夫か? 顔、真っ白だぞ」

「ん、大丈夫だよ」



そんな心配してもらうほどのことはないし。


タオルで額の汗を拭きうなずいた瞬間――

目の前がくらっとして。



あれ?



「――じゅんっ!!」



そのまま地面が近づいて。

すうっと、眠るように意識を手放してしまっていた――。







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