本気の恋の始め方
「三木を迎えに来たんですが」
この声は……。
慌てて着替えて、カーテンを開けると、そこには塁が立っていた。
「る、塁!」
「おう。大丈夫か?」
塁が私の姿を見つけて目を細める。
ジャケットにカットソー、デニム。シンプルだけど、洗練されてすごくかっこいい。
不意打ちだ。
思わず顔が熱くなる。
「な、なんで塁がっ……」
しどろもどろな私。
だけど塁は、当たり前だけどそんな私の気持ちにも気づかず、けろっとしてる。
「おばさんとこにちょうど挨拶に行ってたんだ」
「挨拶?」
「地元で就職活動しようと思って戻ってくることになってさ。それで、お茶飲んでたら、おまえが倒れたって聞いて。俺車あるから迎えに来たんだよ」