本気の恋の始め方
図々しく頼んでくれたお母さん、ありがとう!
嬉しくて、この場でとびはねたい気分になる。
「ふーん。そうなんだ?」
だけど、喜んだ態度をとったらおかしく思われるかもって、そっけない態度しか取れない素直じゃない私。
「じゃあ、行くか」
塁は私の荷物をひょいと持ち上げ歩きだそうとしたけれど、ふと、思いついたようにもう一方の手を私の額に乗せた。
「なっ……!?」
大きな手の感触に、顔がどんどん熱を持ち始める。
「ちょっと熱いな。顔も赤いし」
それは塁が来たからであって、熱があるわけじゃないのに。
「おんぶしてやろうか」
切れ長の目を細めて微笑む塁。