本気の恋の始め方
るうくんが個人的に私にお祝いしたいと思ってるわけじゃないんだ。
あくまでもお返しなんだ。
彼の言葉にそのことを思い知らされて、一瞬泣きそうになったけど
だけど……
「なにがいい?」
そう言って私をちらっと見つめる塁の眼差しが優しいから。
私はぎゅっと目に力を込めて、笑顔を作った。
「うーんと、高いもの! 考えとくっ!」
「バーカ。俺、バイト代ほとんどバイクに消えてるんだからな。遠慮しろよ」
久しぶりに見た笑顔に、胸がきゅんとする。
なのに私ったら、可愛いおねだりも思いつかないし、言えないんだ。
「なに言ってんの、もうすぐ社会人でしょ」
「まぁなぁ……想像、つかねぇけど」