叶恋
「んで?用事がないなら…。俺千里に呼ばれてるからさ。あいつ怒ったら怖いしな。」
「そ、そっか…。ごめんね。忙しいのに…。」
「ああ。ごめんな。また今度相手してやるよ。」
ズキン……
胸が痛んだ。
「もう、陵来るの遅いよー。待ったんだからねー。」
「だから悪かったって…。」
そんな二人の声が聞こえて来る。
それに思わず泣きそうになる。
告白する前から望みはないって言われた気分だ。
だけど、あの、拒絶するような目も、作り笑いもしていた。
ただの見かけだけの王子様は何を抱えてるのかな…?
でもそれを私が知る必要はないの…かな…