叶恋

予感




ホームルームが終わり、担任が教室を出て行くとみんなそれぞれ帰る準備を始めた。



ふと斉藤くんの方をみると、斉藤くんは女子に囲まれて見えなかった。


「斉藤くんって今日暇~?暇だったらウチらとカラオケ行かない?」

「斉藤、俺らも行くし…行こうぜ。」

「お前らが行くなら俺も行くわ。」


斉藤くんは、もうこのクラスに馴染んでて、男女問わずに好かれてるみたいだった。


カラオケか…いいなー。


「梓、斉藤くんたちと、カラオケ行きたいんでしょ?」


図星だったけど、


「ううん、そんなことないよ。うちは今日くらい早くかえって寝たいから…。」


って言って誤魔化した。



すると、莉子は


「花田さんたち、私もカラオケ行きたいんだけどダメかな?」


って言った後、


「私は行きたいから行くよ。」


ってボソッと私に耳打ちした。



私も行きたい…。




「莉子ぉ。私も行きたい!花田さん、私も…行きたい。ダメ?」



「いいよ、いいよ。みんなで行こ!
あんたも斉藤狙い?」

と斉藤くんに聞こえないように聞いてきた。


やっぱりモテるんだ…斉藤くん


そう思ったら何故か胸が少し痛かった。













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