いつもの日常
―数時間後―

「結局晴れたままだったな……」

ベランダに寄り掛かるマイが、隣に同じようにして寄り掛かっているチサに言葉を掛ける。

「うん、こんな綺麗な夕日を、神様は崩したくなかったんだよ、きっと……」

2人は赤にもオレンジにも見える夕日をただただ、ぼ~っと眺めていた。

「そろそろ中に戻るか」

「そうだね」

辺りが暗くなり始めてから2人は家の中へと向けて歩み出す。
ベランダを後にしてすぐに、玄関からガチャっという音がして直後

「た、ただいま~」

少し間延びしたミキの声が聴こえた。

「ハァハァ言ってどうしたの?」

部屋に入って来たミキに、チサが心配そうに尋ねる。
ミキは呼吸を整えながら言う。
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