ビターチョコレート
ビターチョコレート
昨日…一晩中…いや、朝の遅刻ギリギリまで彼氏に愛され続け今に至る
…辛い。体が痛い、声が出ない
それなのに彼氏が物凄く元気なのが悔しい
はぁ…こんな時は甘いものが食べたくなる
私は会社帰りにまた【star&mint】に行くと決めて仕事を頑張った
*+*+*
あれ、今日は静か…またサービスデーなのかな
「こんばんわ、美咲さん」
『はい、こんばんわ…朽木さん』
いつもにまして素敵な笑顔
きっと疲れてるから余計にそう思うんだろうな
「美咲さん?どうかしましたか?」
『いえ!今日は…そうだな…。この店にある〜』
「美咲さん、ケーキ作り体験してみませんか?」
『全てのスイーツを10個ずつ…すみません、遠慮します』
「…何故?」
『私、良く料理はするんですがお菓子作ると絶対失敗するんです。…あ、やっぱ30個ずつで』
「一人っきりでやるからでは?…こちらへ。私が教えますよ」
カウンターから出てきた朽木さんは私の腰を抱き、厨房へ招き入れる
ドアをガチャっと閉めた後…私の唇を強引に奪った
「ん、…っちゅ。美味しいですね…美咲さんの唇は」
『〜〜〜っ』
どんっと私は朽木さんを押した
…身軽に避けられて腕を掴まれ…手首にキスマークを付けられた
『ちょっ、何…』
「首筋や項…たくさん赤い痕が付いてますね…この前会ったときには付いてなかったのに」
『っ』
「独占欲が強すぎる男は面倒では?私なら…貴女を優しく愛してあげられます」
『朽木さん…っやめ、』
「貴女を初めて見た瞬間に…確信しました。貴女は…私のモノになるべき女性だと、ね」
『…はぁ?…っんん!』
「愛しています、美咲さん…」
訳が分からない
なんで、こんなことに…っ!
どんなに暴れても男の人の力に女性が適うはずもない
私はされるがままだ
「一度寝た仲じゃないですか…何をそんなに嫌がるんです?」
『あれは、酔ってて…っ』
「わざと酔わせた、なんて考えなかったんですか?ケーキを持ってきたなんてただの口実…美咲さんと無理矢理にでも関係を持ちたかっただけですからね」
『…っ、朽木さん…』
「美咲さんに男がいることは知っています。それでもこの思いは止められない…。愛していますよ、美咲さん…今すぐ貴女を壊したいほどに」
『え、ゃっ!』
何を言っているの…この人は…っ
思考が彼氏と似てるなんて…考えたくもないっ!
誰か、誰か来て…っ!
『しゅ…っ』
「私の下で別の男の名を呼ぶとは…ますます欲しくなる」
『んーっ!ん、』
「ふふっ…泣き顔も可愛いですね。…助けなど来ませんからゆっくりと愛してあげますよ」
『…朽木、さ…っ』
「……愛してしまったんです…貴女を。」
それから、何があったのかは覚えていない
…忘れたい
分かるのは…私は綺麗な露出の多いドレスを着ている
私の知らない場所で
となりには…朽木さんが安らかに眠っている
ベッドから出ようとしたらガチャン、何かに引っ張られる
……手錠!?
「逃げようなどと、考えないで下さいね…美咲」
『!!!』
「まぁ鍵は無いのでその手錠は取れませんけどね」
くすくすと優雅に笑う朽ち木さんが…怖い
彼氏と同じ感じの性格だこの人…!
「貴女はこの先ずっとここで過ごすんです。私と一緒に…永遠に、ね」
『朽木、さん』
朽木さんはとても嬉しそうに私を抱きしめて…キスをする
何度も、何度も
『あの、お店は…っ』
「畳みます。食べたかったらいつでも私が作るので安心して下さいね」
『…、』
そうか
もう外には出してもらえないんだ
会社帰りに楽しみにしていたケーキの味はもう味わえないんだ
…会社に行けないのだから
「…こんな男に愛されて、可哀想ですね。でも…逃がしてあげられないんです」
『…、朽木さん』
「怖がらないで」
そう言い、朽木さんは一つの箱を取り出した
中に入っていたのは…チョコレート…?
「新作スイーツ食べて下さい」
一つ、朽木さんは自分の口に含むと私にキスをしてからチョコレートを口移しでくれた
…ほろ苦い
「美咲の為だけに作ったチョコレート。…私しか考えられなくなる魔法のスイーツですよ」
『……っ』
「愛しています、美咲。」
苦い、苦いビターチョコレート
それが今日初めて食べたスイーツ
苦いのはキライなのに…もっと欲しくなるのはきっと魔法のスイーツだから…
『好き、勇人…、』
「ふふっ、嬉しいですよ…」
それから私は苦いビターチョコレートしか食べられなくなった
それでも良い
だって…私には、
勇人さんが、いてくれるのだから…
fin
…辛い。体が痛い、声が出ない
それなのに彼氏が物凄く元気なのが悔しい
はぁ…こんな時は甘いものが食べたくなる
私は会社帰りにまた【star&mint】に行くと決めて仕事を頑張った
*+*+*
あれ、今日は静か…またサービスデーなのかな
「こんばんわ、美咲さん」
『はい、こんばんわ…朽木さん』
いつもにまして素敵な笑顔
きっと疲れてるから余計にそう思うんだろうな
「美咲さん?どうかしましたか?」
『いえ!今日は…そうだな…。この店にある〜』
「美咲さん、ケーキ作り体験してみませんか?」
『全てのスイーツを10個ずつ…すみません、遠慮します』
「…何故?」
『私、良く料理はするんですがお菓子作ると絶対失敗するんです。…あ、やっぱ30個ずつで』
「一人っきりでやるからでは?…こちらへ。私が教えますよ」
カウンターから出てきた朽木さんは私の腰を抱き、厨房へ招き入れる
ドアをガチャっと閉めた後…私の唇を強引に奪った
「ん、…っちゅ。美味しいですね…美咲さんの唇は」
『〜〜〜っ』
どんっと私は朽木さんを押した
…身軽に避けられて腕を掴まれ…手首にキスマークを付けられた
『ちょっ、何…』
「首筋や項…たくさん赤い痕が付いてますね…この前会ったときには付いてなかったのに」
『っ』
「独占欲が強すぎる男は面倒では?私なら…貴女を優しく愛してあげられます」
『朽木さん…っやめ、』
「貴女を初めて見た瞬間に…確信しました。貴女は…私のモノになるべき女性だと、ね」
『…はぁ?…っんん!』
「愛しています、美咲さん…」
訳が分からない
なんで、こんなことに…っ!
どんなに暴れても男の人の力に女性が適うはずもない
私はされるがままだ
「一度寝た仲じゃないですか…何をそんなに嫌がるんです?」
『あれは、酔ってて…っ』
「わざと酔わせた、なんて考えなかったんですか?ケーキを持ってきたなんてただの口実…美咲さんと無理矢理にでも関係を持ちたかっただけですからね」
『…っ、朽木さん…』
「美咲さんに男がいることは知っています。それでもこの思いは止められない…。愛していますよ、美咲さん…今すぐ貴女を壊したいほどに」
『え、ゃっ!』
何を言っているの…この人は…っ
思考が彼氏と似てるなんて…考えたくもないっ!
誰か、誰か来て…っ!
『しゅ…っ』
「私の下で別の男の名を呼ぶとは…ますます欲しくなる」
『んーっ!ん、』
「ふふっ…泣き顔も可愛いですね。…助けなど来ませんからゆっくりと愛してあげますよ」
『…朽木、さ…っ』
「……愛してしまったんです…貴女を。」
それから、何があったのかは覚えていない
…忘れたい
分かるのは…私は綺麗な露出の多いドレスを着ている
私の知らない場所で
となりには…朽木さんが安らかに眠っている
ベッドから出ようとしたらガチャン、何かに引っ張られる
……手錠!?
「逃げようなどと、考えないで下さいね…美咲」
『!!!』
「まぁ鍵は無いのでその手錠は取れませんけどね」
くすくすと優雅に笑う朽ち木さんが…怖い
彼氏と同じ感じの性格だこの人…!
「貴女はこの先ずっとここで過ごすんです。私と一緒に…永遠に、ね」
『朽木、さん』
朽木さんはとても嬉しそうに私を抱きしめて…キスをする
何度も、何度も
『あの、お店は…っ』
「畳みます。食べたかったらいつでも私が作るので安心して下さいね」
『…、』
そうか
もう外には出してもらえないんだ
会社帰りに楽しみにしていたケーキの味はもう味わえないんだ
…会社に行けないのだから
「…こんな男に愛されて、可哀想ですね。でも…逃がしてあげられないんです」
『…、朽木さん』
「怖がらないで」
そう言い、朽木さんは一つの箱を取り出した
中に入っていたのは…チョコレート…?
「新作スイーツ食べて下さい」
一つ、朽木さんは自分の口に含むと私にキスをしてからチョコレートを口移しでくれた
…ほろ苦い
「美咲の為だけに作ったチョコレート。…私しか考えられなくなる魔法のスイーツですよ」
『……っ』
「愛しています、美咲。」
苦い、苦いビターチョコレート
それが今日初めて食べたスイーツ
苦いのはキライなのに…もっと欲しくなるのはきっと魔法のスイーツだから…
『好き、勇人…、』
「ふふっ、嬉しいですよ…」
それから私は苦いビターチョコレートしか食べられなくなった
それでも良い
だって…私には、
勇人さんが、いてくれるのだから…
fin