ヒ・ミ・ツ−居酒屋−
夕理がオススメだという居酒屋に行くことになった。


「こちらへどうぞ。」


店員さんに案内されたのは個室。


「お先に飲み物だけお伺いしてもよろしいでしょうか?」


「はい。未菜どうする?」


突然、名前を呼ばれたものだから持っていたおしぼりを落としてしまった。


「あっ・・・えっとビールで」

「じゃあ、俺も同じので。あとおしぼり一つお願いします。」


「ビール2つですね。かしこまりました。」


と店員さんは出ていってしまった。


「動揺してんの?」


向かいの席でわたしを見つめながらおしぼりで手を拭き始めた。


「だって・・名前・・」



いつもはあの時ぐらいしか呼んでくれないのに、動揺しちゃうよ・・。



「・・・たまにはいいじゃん」



「・・・んっ」



その言葉に頷くしかなかった。
だって嬉しかったんだもの。
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