話し屋 (短編集)
「どっか痛いの??それとも俺の曲に感動した??」



と少しおどけた風に言った。



「・・・はい。」



「えっ!?そうなの?ありがとう。」



と優しく微笑んだ。



その微笑の中に少しのせつなさが混じっているのに私は気付いてしまいまた涙があふれてきた。



「あ~あ。また泣いちゃって。」



と言ってピアノの方へ戻りアニメの面白い曲を弾いてくれた。



「えっ??」



「ほら、この曲聞いて元気出して。この曲、ピアノで弾くと何か急に真面目な感じになって面白いだろっ!!」



と言って軽い調子で言った。



「はは!!確かに!!」



私は泣き顔のまま笑った。
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