話し屋 （短編集）

そして、１週間後。


私達は変わらぬ日々を過ごした。



放課後、音楽室に言って悠矢先輩の曲を聞いて。



その繰り返しだった。



「綾瀬。」


と弾き終わった悠矢先輩が突然真剣な顔で私を呼んだ。


「なんですか？？」



「俺さ、明日その好きな人に会うから告白してみようと思うんだ。」



「えっ・・・。」



「向こうから連絡があったんだ。大事な話があるって。その時に告白しようと思う。だから、最後の願掛けのために題名のない曲聞いてくれる？？」



「・・はい。」



そういうと悠矢先輩は弾き始めた。


その音色は、今まで聞いた中で１番綺麗な音色だった。



まるで、悠矢先輩が彼女を思う気持ちのようで、私は始めてこの曲を聞いて耳を塞ぎたくなった。