話し屋 (短編集)
そして次の日私は音楽室に向かった。


音楽室からはピアノの音がしていなかった。



(先輩・・いないのかなぁ・・。)



そんな事を思いながら音楽室に入ると先輩はピアノの鍵盤の上に突っ伏していた。



「先輩!?」



「えっ?あ、綾瀬か・・。」



「大丈夫ですか??調子悪いんですか??」



「・・・・俺さ、失恋しちゃった。」



と泣き笑いのような顔で悠矢先輩は言う。



「えっ・・。」



悠矢先輩のその言葉にしばらく言葉が出てこなかった。
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