話し屋 (短編集)
なっ何するのっ!!」


「叩いてしまってごめんなさい。でも、無理矢理事を収めようってするのは間違ってると思う。」


そう真っ直ぐ私の目を見て言う彼女に私はなぜか苛立ちを感じた。



「それにこんなの香月さんらしくないよ。香月さん、いつも1人でいる私をグループにいれてくれたりしてとても優しかったじゃない。」


なぜか彼女に説教されているようで私は更に苛立った。



「・・・・なんで??なんで、私があんたみたいなクラスのはみ出し者にこんな事言われなきゃならないのよっ!!!」



気がついたら私は近くにあった大きな石で彼女の頭を思いきっり強打していた。


彼女はあっけなく動かなくなってしまった。



そこで不可解な声は消えた。


と同時に私は、その場にしゃがみこんでブルブル震えた。



そうだ。そうだった、私は彼女を、月島沙羅を殺したんだ。


あの後、怖くなって、どうすればいいか分かんなくて私は彼女を崖から突き落とした。



そして、学校に戻ると綺羅の財布の盗難事件は、綺羅の勘違いだと聞かされて、私はとん


でもない事をしたと新ためて実感させられてショックを受けて倒れた。


そして、私は倒れた後、記憶喪失になった。


彼女を殺したという記憶だけを失くしたのだ。



あぁ、何で私があんまり話した事もない月島さんの死に執着するのか分かった気がする。
私が、私が月島さんを殺したからだ。



自分が殺した人間だから、記憶はなくても気になったんだ・・・。
< 32 / 56 >

この作品をシェア

pagetop