話し屋 (短編集)
「やっと思い出したの??」



私の後ろで声がした。振り向くと立っていたのは死んだはずの月島沙羅だった。



「・・・つっ月島さん??・・なっなんで??」



「なんで・・・か。それは、あなたに会いによ。」とにっこりと微笑む。



「月島さん!!ごめんさいっ!!私、私、殺すつもりなんてなかったの!!本当にごめんなさい!!!」



「・・・いいよ。」


「えっ!!」と私が顔を上げると私は何かに押された。


「あなたにも死んでもらうからいいよ。」と彼女は悠然とニッコリ笑う。


そして私は、私が月島さんを突き落とした崖に落ちていく。それを月島さんはただニッコリとして見ている。



「助けてっ!!」と叫びたかったが声になる前に私の意識は途切れた。
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