話し屋 (短編集)
「まあ、雅彦さんったら。」


と私は笑い泣きというおかしな状態のまま言った。



あの筆不精で照れ屋な人がこんな手紙を最後に残しておいてくれるなんて思わなかった。




「雅彦さん、ありがとう。これで、私も残りの人生楽しめそうだわ。」


と私は空に向かって話す。



「それから、あなたは1つ間違ってるわ。」



と言って、遺書を空に向ける。
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