あいかたっ!!!
「えーと、チョコレートパフェとショートケーキと季節の果物の盛り合わせとフライドポテトにあとチキンとドリンクバーください。」

「遠慮ねぇな!!」

今、ヤツとファミレスに来ている。

「白神くんはいらないの??」

「あーっと、じゃあドリンクバーひとつ。」

私の注文の量に少し引き気味の店員さんから
ドリンクバー用のグラスを受け取る。

私はオレンジジュース、ヤツはコーラを
グラスに注ぎ、席に戻る。

「それじゃ、さっきの続き。」

「おう。俺s「お待たせしました!チョコレートパフェとショートケーキと果物の盛り合わせとフライドポテトとチキンです!!」一気に来た!?」

「わー!!おいしそうね!!」

「…うん、食べながらでいいから聞いてくれるかな??」

「いーともー!!←」

「…意外なノリでびびったわ。」

そしてヤツはこほん、と咳払いをして話し始めた。

「俺さ、芸人やりたいけど、コンビがいいんだよね。
確かにピンも面白いけど、俺がやりたいのは漫才とかコントとかさ。
あのボケとツッコミのリズムがさ、俺大好きで。」

あ、私と同じだ。

「お笑いとか芸人とかくだらないとかいうヤツいるけど、違うと思うんだ。
だって、人を笑わせる仕事だぜ??
こんなに誰もが幸せになれる事ないじゃん??」

言葉を選びながら、
一生懸命に話しているのが分かる。

「人を笑わせる事が難しい事だっていうのは分かってる。
でも、黒崎とだったらそれができると思うんだ。」

真っ直ぐな目で私を見つめる。

「黒崎さ、お前ホントは面白いヤツだよ。」

「え??」

私が、面白い??

「いつも周りからの目ばっかり気にして
その面白さ潰しちゃってるけど、
今日ちゃんと話して、やっぱり俺の目に狂いはなかったって思った。

今の黒崎がホントの黒崎でしょ??
いつも周りの目ばっか気にして、真面目ちゃんぶってる黒崎じゃなくて
お笑い大好きで、結構大食いで、ちょっとわがままでさ。
俺が必要としてるのはそういう黒崎だよ。」

なんでこの人は
私が欲しい言葉を分かってるのだろう。

「だからさ、黒崎。
遊びでもいい。気まぐれでもいい。お試しでもいいから。

俺の相方になってください。

お客さんと一緒に黒崎も笑顔にするから。」

頬に生ぬるい水が伝った。
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