SoUnD~僕らの世界~
紗奈が出て行った方向に直登が走って出て行った。
まぁ、今は昼休みだし、仲良く追いかけっこってとこか。
そして、俺はまた一人ぼっち。
「はぁ・・・」
ため息しか出ない俺は、直登に「幸せが逃げてるぞ」と言われ続けている。
別に、幸せが逃げてるどころか、もうすでに幸せが無い状態なんだ。
未那と繋がってないっていうこと自体、幸せなんかないんだから。
今何してんのかな。
未那って料理とかすんのかな。
弁当とか自分で作ってそうだけど。
お菓子作りとか得意そう。
まぁ、女子ならそれくらいできて当然か。
こうやっていつも考えては自分で解決して、今の現状を維持してる俺。
すごく情けなくて、イタイ・・・な。
「紗奈、機嫌直ったか?」
そんなとき、やっと紗奈を捕まえて説得したのか、二人が帰ってきたのが分かった。
紗奈の方を見ると、相変わらず顔が真っ赤なまま。
直登は、これもさっきと変りなく。
「バカそうだな。」
「はっ!?なんで今俺のことバカて言った!?」
「地獄耳。」
「雅、うぜっ!」