SoUnD~僕らの世界~
そして、俺は自分の右手と左手を体の前に持ってきて、笑いながら・・・ダブルピース。
「俺が落ちるわけねぇし!」
「「「っわぁぁぁ!」」」
俺は無事に音大に合格。
俺の目の前で、三人はピョンピョン跳ねまわっていた。
俺以上の喜び方だな。
ブーンッ、ブーンッ―――
俺のポケットでケータイが震えた。
着信だ。
直登、とディスプレイには書かれていた。
「もしもし、直登」
『俺と紗奈は合格だぞ!』
直登の後ろではまだ賑やかしい声がしていた。
ということは、まだ現地か。
「あのな、別にお前らだけじゃねぇっての。俺だって落ちるわけねぇだろ。」
『おぉ!雅も合格したって!』
直登が紗奈に伝えたらしく、後ろから「おめでとー!」という紗奈の声が聞こえた。
直登と紗奈は同じ大学に進学することになった。
直登は特に行きたい所はなかったらしく、紗奈について行くような感じになったらしい。
『そんな決め方でいいのか』って聞いたら、直登は胸張って『大学でたら結婚するんだよ』って・・・。
あいつはやっぱりバカだ。
すげーバカだ、って確信した。
あ、でも『いいバカ』なんだよな。