SoUnD~僕らの世界~
歌い終わって、ギターの最後の音がこの二人の空間を優しく温かく包み込んでいく。
やっぱり、久しぶりに歌うと気持ちよかった。
何より、未那に、届けられたから。
二年前の俺は何も言えなかった。
だから、この歌に自分の思いを込めたんだ。
きっと伝えることなく、未那に届くことなく終わると思っていた、この想い。
「未那・・・」
肩を小さく揺らしながら、俯いて泣いている未那。
俺はそんな未那に近づき、そっと抱きしめた。
「っ、雅・・・」
「俺は今でも、未那のことが好きだ・・・」
さらに優しくギュッと抱きしめると、未那も俺の背中に手を回して抱きしめてくれた。
「さっきの曲を作ったときは、もう諦めようって思ってた。だから、歌詞にも入れたけど、本当に未那をかげながら応援してた。」
「っう、ん・・・っ」
「でも、やっぱりやめた。今、やめた。」
「えっ・・・?」
「俺が、未那を幸せにする。絶対に、もう諦めない・・・」
「・・・っう、っ・・・ぅんっ・・・」