SoUnD~僕らの世界~
PART 9
その後、数分間沈黙が続いた。
お互い、なんとも言われぬ恥ずかしからゆえ。
できれば、このまま眠れたらどれだけ楽だろう。
でも、俺の心臓も、未那の心臓も同じ速度のままだった。
今更離れることもできず、ただ時間が過ぎていく。
「ま、さ?」
この静かな空間を破ったのは、未那だった。
「・・・ん?」
「べ、別にね?その・・・欲求不満とかじゃなくて・・・その・・・」
口ごもってなかなか真相が見えてこない言葉を、未那は綴っていく。
俺はただそれを聞いて、何を聞かれているのか、何を話されているのか真剣に考えていた。
「だから・・・言いたいのはね?」
「うん。」
「・・・不安、なの。」
「不安?」
未那の口から言葉は、もちろん俺が予想できるような言葉じゃなかった。
まさか、昨日の今日で、もうすでに未那を不安にさせていたなんて。
でも、その原因はまた分からなかった。
「俺、何かしたか?」
「違うの、なにも雅は悪くないけど・・・。昨日はあの場で返事をしたけど、やっぱり大丈夫なのかなって・・・。」
「これから先のことか。」
「・・・うん。」